NIGHT SCRAPS

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2018-01-01から1年間の記事一覧

ずっと眠っていたいんだ

コーネリアス(小山田圭吾)が、ジョニー・マーと一緒に写真に写っていた。 www.instagram.com どういう関係性だろうと一瞬考えてしまったけど、小山田さんは若い頃からザ・スミスのファンだった。スミスのファーストが出たときに、高校のクラスメイトの家に…

耽美なる

大人になると分かる世界がある。大学の講義で耽美派について学んだ。耽美派と言えば、永井荷風と谷崎潤一郎。大学生になりたての頃、本屋さんで谷崎の「刺青」を立ち読みしたのを思い出した。ほんの短い作品だけど、その強烈さは今でも覚えている。刺青師の…

傘の下の空気

日傘代わりに普通の傘をさして出かけたら、何とも言えない照れ臭さを味わった。女の子に人気の喫茶店で、男一人パンケーキを食べているような気分だった。この違和感はただ単に慣れていないからだと思うけれど、慣れるまで少し時間がかかりそうだ。 小沢健二…

ぼくの好きな音楽 Vol.3

リアム・ギャラガーが兄ノエルに「またオアシスやろうよ」というようなツイートをして数日経つけれど、フォロワーさんたちの反応がいろいろで面白かった。やってよー、という人と、ソロが聴きたいよー、という人の派閥。僕の意見としては、再結成したらした…

熱の中

今日は六時間ほど図書館にいて、ゼミのレポートを仕上げた。文献をいろいろ探りながら、3000字にまとまるようにパソコンで文字を打ち込んでいく。その間、疲れを紛らわすようにキリンジを聴いていた。さあ、終わった。気がつくと母からメッセージが届いてい…

ココニイルコト

夏祭りに一緒に行かないかと、同じゼミの女の子にラインで誘ってみた。数分後に返事が来た。私も行ってみたいけど、サークルのキャンプと重なって行けんかも。ああ、そうだよね。幾つかの言葉のキャッチボールを経て、会話は止まった。僕はスマートフォンを…

これでいいや

又吉直樹さんが昨年に近畿大学の卒業式で講演されている内容を見た。その中で興味深かったのが、養成所のときの話だ。入学式の時点では数百人いた若者が、夏には半分の人数に減っていった。又吉さんはその理由を「自分に対する期待が多すぎたんじゃないか」…

緑の揺れる髪

祝日は、大学の図書館も閉館している。それでも僕は暇を持て余して大学へ向かった。自転車を駐輪場に止め、そぞろ歩く。図書館の前にはいくつかテーブルがあって、男女が何人か座って雑談をしていた。僕は、日陰のベンチに座って、リュックサックから本を取…

愛でる

実家のお風呂は、タイル張りだった。僕がまだ保育園児ぐらいの幼いころ、でこぼこした模様の中からミッキーマウスや恐竜などの形を作り出す、いや探し出すことをしていた。子供心に、何でもないでこぼこから楽しさを見出したかったんだろう。一緒にお風呂に…

気持ちいい場所へ

羽を伸ばして、汗をかいたまま自転車を漕ぐ。本屋へ寄って柴田元幸さんが編集されている雑誌『MONKEY』を立ち読みして、また外へ出る。ときどきハンカチで肌を撫でながら、夏の空気を駆け抜けていった。疲労にまた疲労を上塗りするのは少し滑稽にも思えたけ…

夜のあむあむ

図書館の五階から町を見下ろしている。数えきれないくらいの建物があり、それには当たり前のように屋根がある。黒色に灰色、ザクロのような色をしたものまである。屋根の色にこだわる人はいるのだろうか。どうせ、こうやって上から見ないと分かりやしないの…

汗がダーッ

先週の金曜に中国語の講義が休講になったため、その補講が今日あった。しかも1限目。僕は朝が弱いから、目覚ましを止めた後もしばらく朦朧としている。夢から覚めたあとって、なんだか気持ちよくって、もう一度夢へと戻りたくなってしまう。危ない危ない。ご…

ぼくの好きな音楽 Vol.2

今日は、小沢健二さんのことを話そうと思う。最近、キリンジやオリジナル・ラブなどの音楽をよく好んで聴いている。でもそれはたぶん「小沢健二のことが好きだから」という理由が起因しているような気がしている。 小沢健二さんを知ったのは本当に最近のこと…

化粧直し

今、川上未映子さんが訳された樋口一葉の「たけくらべ」を読んでいる。とても不思議な気分になる。昔の情緒はもちろんあるのだけど、文体は現代風だからとても読みやすい。それはまるで、村上春樹が日本語訳をしたアメリカ小説を読んでいるのと同じ感じだ。…

夏への扉

雨の音で目が覚めた。車が水たまりを跳ね上げていく音も聞こえてくる。まだ眠たいなあと思いながら重たい頭を動かすとすぐに、微かな雷鳴がした。窓辺で外を眺めていたら、光が瞬き、数秒経ってまた雷鳴が響く。こりゃ参ったなあ、今日学校あるのに...。朝ご…

ぽこぽこと、思考する(4)

・お風呂の時間が、もしかしたら一日の中で一番好きかもしれない。今日は、スマートフォンでコールドプレイの『Ghost Stories』を流しながら、明かりをつけず、薄暗いままお風呂に浸かっていた。疲れた心と体が解きほぐされる感じがした。気ままに素っ裸でい…

余白のある音楽

ここ数日、フランクオーシャンの2016年のアルバム『Blonde』をよく聴いている。なぜ発売された当時に聞かなかったんだろうとその頃を思い出してみると、みんながこのアルバムを推していて、あまのじゃくで「いや、聞かない」って勝手に拒否していたんだった…

ばらばら

赤ん坊が泣きだすと、それに対して文句を言う人がいる。僕なんかは「許容してあげればいいのに...」と思うし、そうなるとお母さんやお父さんの気も安らぐのだろうな。でももし僕が本当に許容的な人間ならば、こんなことも考えなきゃいけないように思う。「赤…

匂い

雨上がり、むわぁっとした湿気と、独特の匂いが立ち込める。雨の匂いには「ペリコロール」という名前があって、ギリシャ語で「石のエッセンス」を意味しているようだ。ペリコロールの匂いを嗅ぐと、湿ったアスファルトと顔を出した青空が頭の中に浮かんでく…

時間がたてば分かる

自分のなかに、矛盾を見つける瞬間が幾度とある。公然と偏見を口にする人を見かけたとき、怒りを感じると同時に「自分もそんなに変わりはしないんじゃないか、この人を責められるほど自分は偉くはないはずだ」という考えも浮かんでくる。一人でいることが好…

精神的によく似ている

「僕と明里は、精神的にどこかよく似ていたと思う」。これは、新海誠監督の『秒速5センチメートル』に出てくるモノローグの一つだ。NHKの番組で小説家の川上未映子さんと対談されたときに川上さんがこのセリフを取り上げていて、僕もそこが好きになった。精…

点/線

町を歩いていて、この男性とこの女性は夫婦なのかな?と思ってよく見ていると実は全くの赤の他人だったり、全然関係なさそうな二人が実は友人関係だったり、というようなことがよくある。さて、路面電車に乗る。停留所にとまると、二人の男性が入ってくる。…

一人ぼっち時間

一人の時間が好きだと、あまり声高に言えない。それをしてしまうと、なんだかやせ我慢をしている、本当は淋しいのに懸命に孤独を肯定しようとしていると思われそうだからだ。まあ何でもいい。昔から一人で遊んでいたし、ぼおっと色んなことを考えてきた。僕…

光に袖を通す

朝起きてカーテンを開けると、久しぶりに晴れ間がさしていた。光が柔らかい。ここ数日雨ばかりだったから、町が車の走る音しか聞こえないのも新鮮だった。ベランダに出ると風が涼しくて、つい洗濯をした。外へ出かけて、大学の門を通ろうとしたとき、野良猫…

若葉

走っている。雨の中を、小学生が傘もささずに駆け抜けている。子供たちの中には、傘を持っているのにさしていない子もいて、微笑んでしまった。元気な子は、ほんとに元気だ。でも親御さんの立場からすれば、びしょびしょになって帰ってこられても困るだろう…

世界の遊び方

奥山由之さんや川島小鳥さんの写真を見て思うのは、「これは景色が素敵なのか、写真家さんの景色の見方が素敵なのか、どっちなんだろう」ということだ。たぶん僕がそこを通っても「うわ、虫だ」ぐらいしか気にしないだろう。でもそんな何てことのない景色も…

言の葉

本を開く。上から下へ落ちてゆく言葉は、なんだか雨のようだと思う。規則的に、まじめに流れてゆく雨。下まで行ったら、もう一度上へと帰ってゆく。ページを捲る。そうしてページが最後まで行くと、長い雨季が終わる。雨で湿った頭の中もある程度経つと乾い…

ひそむ猫、太る犬

ここ最近雨が続いている。今日洗濯したシャツやタオルも、きっと生乾きのまま使わなきゃいけないんだろうと思うとうんざりする。四国も梅雨入りしたのかな。町を歩いていたらあじさいが綺麗に咲いていて、つい立ち止まってしまった。青白い色のあじさいに、…

ええじゃないか

好きなバンドや芸能人の写真が見たくてインスタグラムをインストールしたのに、今ではおすすめに出てくる動物の動画が楽しみになっている。特にかわいいなと思うのはハリネズミで、仰向けになってリンゴをサクサク食べているのを見ると自然と気味の悪い笑み…

勿忘草(わすれなぐさ)

昔から暗記系のテストが苦手だ。なぜか。すぐに忘れてしまうからだ。漢字も歴史の年号も、さあテストだという段になってぽかんと抜けてゆく。それに、人の名前もすぐに覚えられない。日常会話の中で友達で話していた事柄もあんまり記憶していない。だからと…