NIGHT SCRAPS

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2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

もう、曇り空さえうっとうしい。そのうち鼠色の雲が空を覆って大雨を降らすのが分かるからだ。おかげで洗濯物はなかなか乾かないし、靴の中は水槽のようになってしまう。もう何日晴れ間を見ていないだろう。自然と気分は落ち込んで、首元を締め付ける湿気に…

柳のような日々

お昼休みの教室は、明かりがないと薄暗い。蒸し暑い季節にはそれぐらいが丁度いいのかもしれない。ガラス戸を開けて、にぎやかな音と控えめな風を中へと誘う。窓という額縁の中に、初夏のスケッチが収まっている。優しい色が輝いている。同じゼミの女の子と…

さびしい群像

イギリスの労働者階級について調べているとき、日本語訳されている文献の少なさに困り果てた。英語ができたらなあ、と思ったし、それでも数少ない資料はレポートを書くのにかなり役立ってくれた。例えば労働者たちが暴動や抗議運動を行ったという事実は、多…

ゆっくり滑らかに夜は

昼に起きて、夜に眠れなくてそのまま朝になって、夕方で中途半端に眠って、また夜から朝に移り変わった。積み木が崩れた、その散乱したところにまた積み直しているような気分。いやすべて、自分の怠けがいけないのだけど。それでも疲れは溜まって、どこかで…

銀河

地上から遠く離れる感覚。宇宙に行く機会がない限り、あれだけ浮き上がれるのはあの時間ぐらいだろう。今でも、空を小さな光の点が移動しているのを見かけると、あの粒の中に人が何人も乗っているのかと不思議に思う。僕が初めて飛行機に乗ったのは高校の修…

冥利

都会に住みたいと思ったことがない。大きな街に住んでいる自分の姿が全く想像つかないし、人が多いとうんざりしてしまう性分だし、とにかく向いていないのだ。もちろん、観たい映画が自分の地域で上映しなかったり、好きなミュージシャンのライブで交通費が…

機械

家庭科の時間なんかで、昔の家電はこんな感じだったと写真付きで教えられる。洗濯板から洗濯機へ、テレビはモノクロからカラーへ。電話は公衆から個人のものになり、いろんな機能を内蔵するように。そういう変化を見るにつけ、未来のことをふと考える。今の…

あまくていい

歳をとるとそれなりにいいことがある。例えば、ずっと恥ずかしくて履けなかった半ズボンも途端に何とも思わなくなる。多分、小学生のときにすりむいて膝にできた傷を見せるのに抵抗があったんだろう。今はもう普通に履いて外に出ることができるし、結構気に…

ろくでもなく僕ひとりで

冷蔵庫が壊れたり低気圧で頭が痛かったり、考えれば考えるほど嫌なことばかり浮かんだり、散々な日々がつづいた。ベッドは僕の寝汗や涙、涎を染みこんで、消臭剤をかけないとダメになってしまった。それでも頭がずんずんと痺れるから、いろんな課題とか忘れ…