NIGHT SCRAPS

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2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

まとめ(9)

1.夜も昼も ウルフの『自分ひとりの部屋』を読んだ感想。今になっても、男の僕が女性の問題について考えるとき、難しさや矛盾をいつも抱えています。それはたぶん、他人との関係でいつも上がってくる問題ではないでしょうか。 2.まだまだ僕は若いから 父の…

ぽこぽこと、思考する(17)

・モラトリアムを終えようとしている人間の戯言として聞いて欲しいです。社会というものを批評するのはずいぶん難しい。例えば僕が、インターンシップなんてやめようとか、みんなスーツを着ないとダメだなんておかしいとか言ったところで、「それはお前の甘…

波光

冷房の風があんまり冷たいから(でも起き上って止めようという気にはなれない)、僕の肌は生きているのか死んでいるのか分からなくなる。まだ眠りにつくには頭がふつうじゃない。そこで僕は疲れようといろんな策を講じるけれど、ただ気休めの悦びと大きな虚…

あの子と帰った道を覚えている。本当はさっさと帰って勉強しなきゃいけないのに、あえて遠回りしたその道を。風がなびく橋の上、ぐっと下る坂の途中。思い返すと一瞬のことだ。だけどこのテープを頭の中で何回再生しただろう。誰もいないことを確かめて手を…

深夜、胎動

初めて訪れる街というのは、慣れるまで奇妙に映る。スマホを見て、不安に脅されながらバスに乗る。ああ、ライブ会場に行くまではなんとか順調そうだ。どんどん人が乗り込んできて破裂しそうになるけど、この行き先が合っているんだという安心も高まる。会場…

ぬれた靴

昨日の雨の行方を考えながら、僕は湿った靴をベランダの日向に移した。ほんの少し膨らんだ川や海、恵まれた森林、コンクリートのうえで行き場をなくした水溜まり。そういう景色を妄想した。今日はずいぶんからっとした気温で、普通にしていたって喉が渇く。…

猫のさみしさ

野良猫はさみしいのだろうか。ふと気になってしまう。猫も人間と同じように、誰とでも仲良くなれるやつとそうじゃないやつがいると思う。''そうじゃないやつ''、警戒心がやたら強くて、「近寄らないでください」というオーラを鎧にしているやつ。きっと彼ら…

モリッシーとサッチャリズムについて

モリッシーという歌手がいる。彼は1959年にイギリス北部の労働者階級の家庭に生まれ、1982年にザ・スミスというバンドを結成する。バンドはヒットし、85年に発売したアルバム『Meat Is Murder』はチャートで一位を獲得した。しかし、ギタリストであるジョニ…

疲れたあなたへ

痛ましいニュースのあとで、またつらいニュースが報じられる。出来たばかりのかさぶたを爪で思い切り掻き切られたような気分が続く。怒りの声を聞いているだけで一日が終わる。きっと今夜も、僕らの寝床の下を悪魔が通り過ぎていく。涙や血反吐を吸い上げて…

安心な僕らは

日曜日の朝は、ほんわかした優しいお天気だった。僕は駅までゆっくりと歩く。リュックサックは衣服や本、筆記用具なんかが詰まってぐっと重い。今のとろとろとした眠気の中では何にも覚えていないけど、過ぎ去っていく景色を懸命に記憶しようとあちこちを眺…