NIGHT SCRAPS

夜をつらつら書き連ねるブログ

まとめ(10)

6月から7月末までのまとめ。曲紹介の方が楽しい。そろそろサブカル臭満載なライターにでも転身しようかな。 1.ろくでもなく僕ひとりで どうしようもないときはどうすりゃいいのよ。 r46abfcfd77x7me05se181.hatenablog.com ※プリファブ・スプライト「Bonny…

ぽこぽこと、思考する(18)

・ときどき、「あの文章のあの部分いいですね」と匿名で言われることがある。嬉しいなあって笑みがこぼれる反面、読まれてるんだなあってすごくビビる。毎日のアクセス数なんて大したことないし、話題になるような文章でもないけど、そんなものを眠たくなり…

アイスクリーム微熱

ぬるい空気と抱きあう日々ばかりだけど、ときどき恵まれて、傘も持たず出かける日がある。このあいだも久しぶりに路面電車に乗り、のんびりと時間を使って駅まで向かった。そのあいだ、外の暑い世界をぼうっと眺めては他の乗客のことをちらりと見て、また景…

わたしを離さないで

ゼミで、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』を読んでいる。来週の授業でもう物語は終わりを迎え、そろそろ総括になりそうだ。自分はSFを読むのが苦手だから、最初の方は読み進めるのが亀のようにスローだった。それでもところどころに散在している疑…

メロディと言の葉

君がどうだったかはわからないけど、僕には詩を書いていた頃がある。詩と言っても歌詞だ。ほとんど韻は踏んでいないし、読み返すと恥ずかしさで熱を感じてしまう。家族には一つも見せたことがない。当時付き合っていた人には見せていた(送りつけていた、の…

ソーダフロート

午前四時に君から電話がかかってきた。ちょうど、隣の部屋からテレビの音が消え、しんと静かになったときだった。驚いてすぐに出てしまった。それにしても、どうして僕がまだ起きていることを君は分かっていたんだろう。晩御飯を食べたあと、のろのろとベッ…

タイトロープ

自分が生まれ育った町を頭の中で組み立てる。マンションの階段を下りて大きい道に出たのなら、東の方角に進んでいけば駅前のデパートや喫茶店が、北の方角に歩いていくとツタヤとか本屋さんとかあって、もう少し遠く進んでいくと三年通った高校がひっそり佇…

もう、曇り空さえうっとうしい。そのうち鼠色の雲が空を覆って大雨を降らすのが分かるからだ。おかげで洗濯物はなかなか乾かないし、靴の中は水槽のようになってしまう。もう何日晴れ間を見ていないだろう。自然と気分は落ち込んで、首元を締め付ける湿気に…

柳のような日々

お昼休みの教室は、明かりがないと薄暗い。蒸し暑い季節にはそれぐらいが丁度いいのかもしれない。ガラス戸を開けて、にぎやかな音と控えめな風を中へと誘う。窓という額縁の中に、初夏のスケッチが収まっている。優しい色が輝いている。同じゼミの女の子と…

さびしい群像

イギリスの労働者階級について調べているとき、日本語訳されている文献の少なさに困り果てた。英語ができたらなあ、と思ったし、それでも数少ない資料はレポートを書くのにかなり役立ってくれた。例えば労働者たちが暴動や抗議運動を行ったという事実は、多…

ゆっくり滑らかに夜は

昼に起きて、夜に眠れなくてそのまま朝になって、夕方で中途半端に眠って、また夜から朝に移り変わった。積み木が崩れた、その散乱したところにまた積み直しているような気分。いやすべて、自分の怠けがいけないのだけど。それでも疲れは溜まって、どこかで…

銀河

地上から遠く離れる感覚。宇宙に行く機会がない限り、あれだけ浮き上がれるのはあの時間ぐらいだろう。今でも、空を小さな光の点が移動しているのを見かけると、あの粒の中に人が何人も乗っているのかと不思議に思う。僕が初めて飛行機に乗ったのは高校の修…

冥利

都会に住みたいと思ったことがない。大きな街に住んでいる自分の姿が全く想像つかないし、人が多いとうんざりしてしまう性分だし、とにかく向いていないのだ。もちろん、観たい映画が自分の地域で上映しなかったり、好きなミュージシャンのライブで交通費が…

機械

家庭科の時間なんかで、昔の家電はこんな感じだったと写真付きで教えられる。洗濯板から洗濯機へ、テレビはモノクロからカラーへ。電話は公衆から個人のものになり、いろんな機能を内蔵するように。そういう変化を見るにつけ、未来のことをふと考える。今の…

あまくていい

歳をとるとそれなりにいいことがある。例えば、ずっと恥ずかしくて履けなかった半ズボンも途端に何とも思わなくなる。多分、小学生のときにすりむいて膝にできた傷を見せるのに抵抗があったんだろう。今はもう普通に履いて外に出ることができるし、結構気に…

ろくでもなく僕ひとりで

冷蔵庫が壊れたり低気圧で頭が痛かったり、考えれば考えるほど嫌なことばかり浮かんだり、散々な日々がつづいた。ベッドは僕の寝汗や涙、涎を染みこんで、消臭剤をかけないとダメになってしまった。それでも頭がずんずんと痺れるから、いろんな課題とか忘れ…

まとめ(9)

1.夜も昼も ウルフの『自分ひとりの部屋』を読んだ感想。今になっても、男の僕が女性の問題について考えるとき、難しさや矛盾をいつも抱えています。それはたぶん、他人との関係でいつも上がってくる問題ではないでしょうか。 2.まだまだ僕は若いから 父の…

ぽこぽこと、思考する(17)

・モラトリアムを終えようとしている人間の戯言として聞いて欲しいです。社会というものを批評するのはずいぶん難しい。例えば僕が、インターンシップなんてやめようとか、みんなスーツを着ないとダメだなんておかしいとか言ったところで、「それはお前の甘…

波光

冷房の風があんまり冷たいから(でも起き上って止めようという気にはなれない)、僕の肌は生きているのか死んでいるのか分からなくなる。まだ眠りにつくには頭がふつうじゃない。そこで僕は疲れようといろんな策を講じるけれど、ただ気休めの悦びと大きな虚…

あの子と帰った道を覚えている。本当はさっさと帰って勉強しなきゃいけないのに、あえて遠回りしたその道を。風がなびく橋の上、ぐっと下る坂の途中。思い返すと一瞬のことだ。だけどこのテープを頭の中で何回再生しただろう。誰もいないことを確かめて手を…

深夜、胎動

初めて訪れる街というのは、慣れるまで奇妙に映る。スマホを見て、不安に脅されながらバスに乗る。ああ、ライブ会場に行くまではなんとか順調そうだ。どんどん人が乗り込んできて破裂しそうになるけど、この行き先が合っているんだという安心も高まる。会場…

ぬれた靴

昨日の雨の行方を考えながら、僕は湿った靴をベランダの日向に移した。ほんの少し膨らんだ川や海、恵まれた森林、コンクリートのうえで行き場をなくした水溜まり。そういう景色を妄想した。今日はずいぶんからっとした気温で、普通にしていたって喉が渇く。…

雲はゆっくり進むのよ

静かな夜が怖い。ピンと張りつめた空気と、隣り合せの他人の生活。咳払いが無情に響いて、薄い壁を貫いていく。プライベートなんて言うものは見せかけで、容易く誰かが介入してくる。知らない人の笑い声、スポーツ番組の実況の声、闇を駆ける車の音。そうい…

猫のさみしさ

野良猫はさみしいのだろうか。ふと気になってしまう。猫も人間と同じように、誰とでも仲良くなれるやつとそうじゃないやつがいると思う。''そうじゃないやつ''、警戒心がやたら強くて、「近寄らないでください」というオーラを鎧にしているやつ。きっと彼ら…

モリッシーとサッチャリズムについて

モリッシーという歌手がいる。彼は1959年にイギリス北部の労働者階級の家庭に生まれ、1982年にザ・スミスというバンドを結成する。バンドはヒットし、85年に発売したアルバム『Meat Is Murder』はチャートで一位を獲得した。しかし、ギタリストであるジョニ…

疲れたあなたへ

痛ましいニュースのあとで、またつらいニュースが報じられる。出来たばかりのかさぶたを爪で思い切り掻き切られたような気分が続く。怒りの声を聞いているだけで一日が終わる。きっと今夜も、僕らの寝床の下を悪魔が通り過ぎていく。涙や血反吐を吸い上げて…

安心な僕らは

日曜日の朝は、ほんわかした優しいお天気だった。僕は駅までゆっくりと歩く。リュックサックは衣服や本、筆記用具なんかが詰まってぐっと重い。今のとろとろとした眠気の中では何にも覚えていないけど、過ぎ去っていく景色を懸命に記憶しようとあちこちを眺…

詩について

網戸の隙間から、ご機嫌な風が吹いてくる。それはカーテンをそっと揺らして、埃を踊らせる。初夏と言われても疑わないぐらいの気温で、ベランダの先に見える緑がまぶしい。ときどき隣の部屋から笑い声が聞こえてくる。何の憂いも感じさせない陽気な笑い声だ…

丸く、柔く

すべてのことにやる気が起きない。面白い本を捲ってもすぐに飽きてしまう。甘いコーヒーを飲むこと以外楽しみがない。また身体が丸く、柔くなっている。シャワーを浴びるために服を脱いで、鏡に映る自分を見たときの情けなさ。ゴムボールみたいに膨らんで、…

ぽこぽこと、思考する(16)

・僕の大学には文学研究会みたいなのが無くて、結構つまらないなあと思っている。僕の中での「文学研究会」って、薄暗い喫茶店に革のソファ、テーブルの上にグラスと灰皿と本が並んでいるイメージなんだけど絶対違いますよね。グーグルで色々調べていたら東…