NIGHT SCRAPS

life, solitude, words

ひそむ猫、太る犬

 ここ最近雨が続いている。今日洗濯したシャツやタオルも、きっと生乾きのまま使わなきゃいけないんだろうと思うとうんざりする。四国も梅雨入りしたのかな。町を歩いていたらあじさいが綺麗に咲いていて、つい立ち止まってしまった。青白い色のあじさいに、葡萄酒のような鮮やかな色のあじさい。梅雨だからふと目に入ったのかもしれないけど、こういうのは「雨も悪くないな」と思える。

 湿気がすごくて、なんだか熱を持った何かにいつまでも抱きつかれているような感覚がした。冷たい雨が降っているのに、傘の下では汗がじんわり浮かんで滴っていく。道の途中でかたつむりを見つけた。のろのろとコンクリートを舐めるように進んでいく。危ないかなと思って拾おうとしたけど、途中で「寄生虫なんかがいたらいけないなあ」と考えて、そのままさよならした。雨だと、野良猫も見かけない。彼らはどう雨をしのいで、やり過ごしているんだろう。気づかないだけで、梅雨の時期はけっこう過酷なのかもしれない。ちなみに猫が水を嫌うのは、自分で体温調節ができないために体がぐんと冷たくなってしまうからだ、とどこかで聞いたことがある。きっと今頃、軒先にひそんで、雨粒が地面に落ちるのを目で追いかけているんだろう。

 犬は別に大丈夫らしいけど、家族の方々が散歩したがらないだろうから、梅雨の時期はぶくぶく太ってしまうのかな。不思議なことに、一度おなかについた脂肪は簡単には落ちない。散歩している犬をたまに見かけるけど、にやりとしてしまうくらい丸々と仕上がった犬もいて、ああきっと孫をかわいがる祖父母のようなものなんだなと思う。僕の母も、ハムスターにあれこれとあげていたけど、端から見ているとフォアグラを作る工程にも似ていてちょっと可哀そうにも思えるのだけどね。

 春休み明けにはクラスメイトがちょっと成長して見えたように、梅雨明けの景色もずいぶん変わって見えるかもしれない。野良猫は痩せて、犬は太って。そういえば、野良の犬って全然見かけない。その代わりに、僕の住む町では猫がたくさんいる。登校中に一匹、下校時にもう一匹、なんてこともあるくらいだ。最近、マンションの近くをするすると通る猫がいたから追いかけて、しばらくじっと見つめていた。しっぽはどこかで怪我をしたのか、それとも元々そうなのか、まんまるで可愛らしかった。

 しばらく嫌な季節が続きそうだ。「やまない雨はない」と言うけれど、3日連続とかで雨だとそれはほぼ「やまない雨」なんですよね、こっちとしては。だからこそ雨の歌なんか聞きながら、誤魔化してしまうしかないのだ。