NIGHT SCRAPS

夜をつらつら書き連ねるブログ

そうそう天使は来ない

 週末は疲れがどっと押し寄せる。いいなあと思っていたブロガーさんが僕の読者でなくなっていたり、節約するのめんどくさいなあと感じ始めたり、授業をサボって古着屋に行ったものの、全然いいのが見つからなくて「何してるんだろ」と思ったり、そうしているうちに今日が来た。特にいつもと変わらない一日。

 授業を終えて買い物して、ベッドに横たわり、時間を潰した。午後六時を過ぎた頃に財布とかを持って外に出た。もう真っ暗。セーターの細かい隙間を冷たい風が通り抜けていく。自転車にまたがって目的地へとぶらぶら走る。あの喫茶店。大学に自転車を止め、少し歩くとそこに着く。誰もいなかったらどうしようと思ったけど、大学生っぽい三人組が腰かけていて安心した。

 お店のなかは暖かく、耳の先がぽっと紅葉する感じがあった。つげ義春の『ねじ式/夜が掴む』とか村上春樹さんと安西水丸さんの『夜のくもざる』、川上未映子さんのエッセイをざっと読んで時間を過ごした。ときどき電車が通ってがたがたと空気が震えた。レコードのぷつぷつした音が聞こえた。一時間ぐらいいたけど、僕の後に来たお客さんが先に出るのは気まずかったから、お会計を済ませた。外に出ると、燃える頬を11月の風が冷やした。

 あんなに贅沢な時間であふれていたのになあ。夜道を歩いて帰るのはさびしい。ふと、先生に借りた本をお風呂に浸かって読んだらどうなるかなあと妄想してしまった(疲れていると、しちゃいけないことをしたくなる)。絶対だめだろうとは分かっているけど、本を湯船に落とすところまで思い浮かべてしまう。部屋に戻ってすぐ温かいお風呂を入れた。チェット・ベイカーの歌を流しながら、羊水に浸かる胎児のように湯に身をゆだねた。ふう。

 そうそういいことは訪れない。仲良くしてくれるのかなと思った先輩も他の授業では素っ気ない。中国語のリスニングはほとんど何も分からずただただ神経をすり減らす。たまの贅沢もあっという間。おいしいご飯を食べるより、友達とくだらない話を何時間もするほうが好きだったりする。この前も、話しているうちに眠ってしまった。ずうっと話していたかったのに。友達みたいな人がもっと増えたら、面白いのになあ。でもどれだけ増えたって、友達の素晴らしさは変わりっこない。

 週末には、ときどき昼まで眠ってしまう。あー、一日損したと思うけど「損してやったぞ」という気持ちもある。何にもしないということができたということ。たまにはそれも贅沢になるんだ。うん。

フィルム

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