NIGHT SCRAPS

life, solitude, words

くだらないの中に

 Twitterのフォロワーさんに、かっこいい服お洒落な服を着て、お洒落な場所でよくお茶している方がいる。その方の写真を見かける度に、憧れる。僕は今まあまあな田舎に住んでいるので、都会的な暮らしには素直にかっこいいと思う。そして、こうした気品のある日々の裏で、きちんと働いていらっしゃるんだろうなと妄想すると尊敬の念すら覚える。

 話は全然逸れていくけれど、2017年の上旬に放送された「カルテット」というドラマがある。坂元裕二さん脚本、松たか子さん、満島ひかりさん、松田龍平さん、高橋一生さんなど、豪華な面々が出演されている。が、僕がこのドラマで記憶に残っているのは、第二話、松田龍平さんと菊池亜希子さんが冬の朝早くにベランダでサッポロ一番を食べるシーンだ。ぜっんぜんストーリーとは関係ない部分。だけど、こんな地味なシーンになぜだかうっとりしてしまった。

 そしてまた話は逸れ、小沢健二に。オザケンにはアルバム未発表の曲が沢山あって、その中で僕が一番好きなのが「恋しくて」という曲だ。ここには何でもない日常が描かれている。「君」と一緒に「シリアル・ママ」や「蛇拳」を観たり、キムチラーメン(!)や葡萄を食べた思い出。高級な、プラダの靴やダッフルコートなんかが出てこない世界。でもこうした何でもない日々を過ぎた後には「魔法のようなもの」だと思うこんな感じがたまらない。

 都会的なかっこよさに憧れる一方、ベランダで一緒にラーメンを食べるくだらなさも素敵だと思う。というか、あんまりお洒落な場所は疲れちゃいそう。そもそもの話だけど。それより、だっるだるの服を着て散歩したりお昼寝する方が好きだ。しかしまあ恋人のいない今、どんな理想を語ろうがただの絵空事でしかないけど。

 星野源さんの「くだらないの中に」の素晴らしさも、こうしたところにあるんじゃないかなあ。「好き」とか「愛してる」とか、そういう直球なフレーズは一切出てこない。すぐ壊れちゃいそうな弱さをほわっと包み込む、髪の毛や首筋を嗅ぎ合うばかばかしさ、くだらなさ。それが源さんのあの歌声に乗ってしまうのだ。ライブで実際に聴いたときも、会場全体が音の一つ一つをおいしく味わっているように感じた。

 そんな星野さんがあるときおっしゃっていた、「ばかって言われると嬉しい」というお言葉がすごくわかる。高3のとき、クラスの女の子に「ばかっ」と言われ、嬉しくて大笑いしてしまった。

 なるべくくだらないことばかり書き続けていきたい。みんな真面目とかやめちゃえばいいのになあ。