NIGHT SCRAPS

life, solitude, words

私を構成する9枚

 Twitterでやった#私を構成する9枚を、ちょこっとレビューしてみようと思う。

 1枚目:Blur 『Leisure』

 これは最近ハマったのだが、たぶんブラーファンの多くは好きじゃないんだろうなあ...。確かにブラーには『Parklife』や『Blur(無題)』といった名盤があり、このファーストアルバムは少し浮いてしまっているかもしれない。でも、当時のイギリスのサウンド(生まれてないのでどうにも言えないけれど)を踏襲したマンチェ&シューゲイザーサウンド、デーモンの気だるげなボーカルもたまんない。MVの話になるが、「There‘s No Other Way」はUS版のほうが好きだ。

 2枚目:星野源 『エピソード』

 完成度の話をすれば『YELLOW DANCER』のほうが上なのだろうと思うけど、個人的な思い出が加味されているので、こっちを選んだ。中三の秋ぐらいから学校に行きたくない時期が続いていたときに、3曲目の「変わらないまま」に非常に救われた。それも、「がんばれ」とか「ひとりじゃないよ」とかそういう励ましではなく、どこか赦された許された気がしていたのだ。今になっても、冒頭の「さらば 人気者の群れよ」という歌詞を聴くたびに、それを暗い部屋の片隅で聴いていた当時の自分を思い出す。とてもとても地味な戦士の姿。

 3枚目:小沢健二 『LIFE』

 このアルバムが好きなのは、もちろんそのサウンドのポップさもそうだが、歌詞がひたすらに素敵なのだ。先日ミュージックステーションに出ていた小沢健二がふと明かした「ラブリーを書いていたとき、とっても寂しかったんですよ」というエピソードは、なぜここまでこのアルバムが多くの人に愛聴され続けているのかという謎の答えである気がした。『LIFE』の歌詞たちは、単にハッピー‼‼という訳ではない。そこには確かな「悲しみ」がトレースされている。だからこそ普遍的になっている。多くの人の心を打つ。愛を知り、悲しみを覚え、また愛に出会う、そうした永遠が主題になっているのだ。ちなみに、個人的な妄想なんだけど、「いちょう並木のセレナーデ」の主人公は「君」に振られ、一方「君」のほうは全然未練なんてない、だけど主人公は「僕のことなど思うだろう」と強がっている気がする。勝手な解釈だけど、こう捉えてみると面白い。

 4枚目:スピッツハヤブサ

 『ハヤブサ』を作っていたときのスピッツの沸々とした感情は、結構相当のものだったんじゃないかと思う。詳しくはWikipediaを参照していただくと分かる。で、このアルバムには非常に荒々しいパンク精神が宿っている(気がする)。ライブで絶対盛り上がるであろう「8823」のサビに至るときのカタルシスが超気持ちいい(古い)し、歌詞が安らかなストーカーである「Holiday」も初夏のように爽やかだ。で、僕はやっぱりスピッツはずるいなあと考える。非常に野心的なサウンドが鳴り響き、終わりに差し掛かるとき、バラードである「ジュテーム?」がやってくるのだ。これが、ずるい。初めてこの曲を聴いたのはアニメ「ハチミツとクローバー」だったが、それからずっとお気に入りなのだ。「君がいるのは素敵なことだ」といったと思えば「君がいるのはいけないことだ」なんて、良すぎる。ほんとうに。

 5枚目:ザ・ビートルズ 『Revolver』

 単純に、「ビートルズで一番好きなアルバムは何か」と考えたときにこのアルバムが浮かんだ。全員の良さが一番まとまっている気がするのだ。ジョンはロックに、ポールはバラードチックに、ジョージはインドの音楽に、リンゴはのんびりボーカル。過度になりすぎず、かといって確実に革新的。ビートルズ初心者にも、(ベストを除き)『Magical Mystery Tour』と同じくらいおすすめしたい名盤だと思う。

 6枚目:ノエルギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ 『Chasing Yesterday』

 僕のロックアイコンであり憧れの存在であるノエルギャラガーのソロプロジェクト第2弾。ポップさは「Who Build The Moon?」のほうが上かもしれないけれど、これからも聴きこむんだろうというか、愛聴度でいうとこっちのほうが断然上である。サウンド、歌詞、曲間含め、すべてが最高で、完璧なのだ...。大学受験の控えた頃や無事大学に合格し新しい土地へ向かう道中で何度も耳にした「You Know We Can’t Go Back」は、今でも鮮やかなまま輝いている。好きで好きで何度も履いて色褪せたジーンズのような愛らしさがここにはある。

 7枚目:フリッパーズ・ギター 『CAMERA TALK

 聞いただけで田舎の町並みもオシャレに思えてくるフリッパーズ・ギター。今、モラトリアム真っ只中な状況で知れて本当に良かった。「クソタレな気分蹴っ飛ばしたくて」と歌った後、「蹴とばすもの何もありゃしないのにね」と言ってしまうこの感じ。猫のように野蛮で、腹が立つほどの気まぐれさ。「ピストル」という隠語に潜まれた、欲深さ。青春のあれこれを詰め込んだ宝箱がこのアルバムだと思う。そしていつか醜い大人になったとき、一種の郷愁感をもって歌詞をたどっていくんだろう。

 8枚目:オアシス 『Don’t Believe The Truth』

 え、『Morning Glory?』じゃないの?と言われそうなこのチョイス。しかし、このアルバムに漂う渋さはとてもやばい。そして一番バンドらしい。今までではノエルが前線に出ていたけど、ここでは1ギタリストぐらいに徹しているような気がする。だからか分からないが、メンバーそれぞれの曲の良さが引き立っていて、アルバム全体のまとまりの良さに繋がっている。特にリアムの良さ。「Love Like A Bomb」や「The Meaning Of Soul」なんかの、曲としては短いが心に残るメロディ。なにより多様に使い分けているボーカル。こう言っては大袈裟かもしれないけど、このアルバムはリアムのためにあるアルバムだと思う。気のせいかもしれないが、リアムの初ソロアルバム『As You Were』は、『Don’t Believe The Truth』のアップデート版のように聞こえた。

 9枚目:花澤香菜Blue Avenue

 これはすごく個人的な意見だけど、このアルバムを「声優さんのアルバム」と呼ぶのに違和感を覚える。別に声優さんを見下している訳ではないけど、どこか言い得てない感じがするのだ。それくらい一つ一つの曲の良さ、アルバムとしての統一感がある。なにせ製作陣がほんとうにきっちりしている。比較するのはいけないかもしれないけど、YUKIさんのアルバムに似ている気がする(どのアルバムが、とかそんなんじゃなく、作られ方や雰囲気が)。「ブルーベリーナイト」と「Nobody Knows」がとっても好きで、またこういうジャズテイストなものを作ってほしい。売れ線ではないのかもしれないが、花澤さんの声色とジャズのメロディの相性は格別なんだ。

(追記)あと、ジャケは初回盤より通常盤のほうが好きです。

 

 ...以上。