ミルク

 夜はまだずいぶん寒いんだと知った。疲労でとろとろになった頭が妙に心地よく、ひんやりした夜風もいい。外から帰ってきた人のかじかんだ手に触れられたようだ。おなかが空いて、スーパーで適当に食べ物をかごに入れる。レジはガラガラで、すんなりと会計を終える。店員同士の会話。大学生数人。たまに通る自動車。

 僕は、暗がりの中にある橙色やひよこ色の明かりから暮らしを見つける。じじじ、...ばちっ。八時を過ぎるともうひと気はない。だから明かりの一つ一つで安らぐし、ローソンから漏れる強烈な光が町と不釣り合いで、可笑しくなってしまう。瞬きをするたびに光がふらふらと揺れ、飛び回る。あなたもきっと田舎のなんでもない道を歩くとわかる。星だって単簡に見つけられる。

 昨夜、やらなきゃいけないことが沢山あるのを(しかも期日は短い!)考えていたら、頭が変に興奮して、あんまり眠れなかった。やらなくちゃいけないことへのプレッシャーを過敏に感じてしまう性が昔からあって、...嫌だ。だって、あれこれやるのに一番大事なのは休養、つまり睡眠だ。じゃあ前もってこつこつ準備しておけよと言われたらそれでもう閉口してしまうけど、夜に突然「あれしなきゃ!」って思い出すことないですか?一度思い出してしまったら、どつぼだ。

 最近はTHE 1975の曲を好んで聴いてる。踊りたくなるから好きだ。ときどき、教室とか道の途中で無性に身体を揺らしたくなる。教卓に上がり踊ったらどんな顔をするか考える。でも恥ずかしいなと思って、誰もいないトイレでちょっと踊る。そうして、ほんの少し自分を回復させる。ダンスホールはそう思わないけど、教室はどこか「踊りたい!」という気分にさせる。じっとするべき場所だからかな。''Sincerity Is Scary''という曲は、ディアンジェロのようなリズムが気持ちいいし、冬の清らかな朝に外に飛び出して聴いたら最高だろうなあ。

 今日みたいなくたくたな日は、レジの店員さんにも「お疲れ様です」と言いたくなる。みなさんお疲れさま(何にもしてない人も)。砂糖たっぷりのホットミルクのような夢を見てほしい。どんな夢だろうね。僕にも分からない。

Sincerity Is Scary

Sincerity Is Scary

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