夜に鉄道に乗るように

 昨日は、お昼から午後八時まで大学の図書館にいた。気の進まない課題を前にして、ああでもないこうでもないと資料を選んでは元に戻し、文章を無理やりひねり出した。途中でお腹が減ったから、近所のスーパーでドーナツを二個買って胃に押し込んだ。窓の向こうがだんだん黄昏ていき、ついに黒く塗りつぶされてしまって、課題を途中のまま終わらせて外に出た。

 雨がまだ降っていた。灯りが濡れた道を照らし、水たまりの中に雨粒がぽつぽつと落ちていくのが分かった。苦い苦いブラックコーヒーを思わせる、真っ暗。イヤホンからアジカンの音楽が流れていたから怖くはなかったけれど、何度かふと振り返ってしまった。それでも何にも起こらずに、自分の部屋に帰る。

 帰ってきたら途端にお腹が空いてきた。それでも料理をするのは疲れる。燃え尽きた煙草に火をつけるようなものだ。その前にお風呂に入りたかった。熱いお湯が溜まっていき、湯気が霧のように煙る。服を脱いで身体を洗い、ゆっくりと湯船の中に入る。肩まで浸かると、解きほぐされる感覚を覚える。僕は車に乗っているとよく眠たくなるのだけど、それに似ている。ぽかぽかとした座席に座り、どこかへとふらふら浮遊している。そしてゆらゆらと揺られながら、眠たいなあと思う。中学生ぐらいまで、お風呂の時間はちょっとぞっとするものだった(一人きりだし静かだし)けれど、今では一番落ち着く時間になっている。不思議だ。

 お風呂から出て、冷凍食品のちゃんぽんを食べた。温かいお風呂に入り、温かいものを食べることがどれだけ偉大か、最近よく実感する。寒いから、洗濯物を干すのは億劫だし、皿を洗うのはもっと億劫だ。まあ、寒くなくても面倒くさいのは変わりないのだけど。そして課題を終わらせて、ゲームをしたり動画を見たりしていたら眠れなくなって、四時までうだうだしていた。空が明らむ気配を感じた頃、やっと眠りに落ちることができた。

 今朝起きると、昨日の曇り空をスクラッチしたみたいにきれいな青空が広がっていた。

肌

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