NIGHT SCRAPS

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愛すべき無駄

 昨夜「明日何食べようかなあ」とうだうだ考えていたら、楽しくなって眠るのが遅くなってしまった。スマホのメモにいろいろと書き込んで、とりあえず目をつむってみる。食材を買う自分とか料理している自分の姿を妄想して、そこから違う妄想へとびゅーんと飛んで、よく分からないうちに眠っていた。

 最近の朝は寒いから、布団に抱きついて温もりを確保したくなる。そしてそのぬくぬくにやられて、沼の中に沈んで行ってしまう。眠気とのすごく地味な格闘を終えた後、適当にご飯を済ませ、髪を洗い、服を着替えた。月曜の11時、町はいつも通り静かで、信号無視して通ってやろうかと思うくらいだった。買い物の部分は、すごく長いから割愛する。あれこれ見ていたら本当に目移りするのだ。

 料理と言ってもすごく単純だ。ぶなしめじと小松菜をバターで炒め、醤油をかけて終わり。豚バラとごぼうを炒めて味付けは焼き肉のタレで決まり。大根の煮ものは昆布だしと醤油と砂糖と。お昼はそんなにお腹が空いていなかったから、それをちょっとつまみながら、ジンジャーエールを飲んだりした。

 料理を作っているあいだ、なんだか気が紛れて楽しい。どう切ろうかなとか味付けは...とか、次にこれを炒めてその間あれを洗って...みたいに作業している時間が愛おしい。ジャムおじさんもきっと毎日楽しい日々を送っているにちがいない。それにしても、パンがどうして喋ったり戦ったりできるんだろう...。いやいや、それはやなせたかしさんにしか分からない。

 ブログ何書こうかなあ、というのも楽しい時間の一つだ。僕が物心つく頃にはもうメールが普及していたけれど、手紙のやり取りしかできなかった時代もまた幸せだったろうなあと思う。手紙の初めに何を綴ろうかと季節の移ろいに目を向けてみたり、自分だけの発見を手紙の相手にひけらかしてみたり、なんでもない日常を伝えたくなったり。手紙にペンを落とすその姿を想像すると、なんだか可愛らしい。

 星野源さんの「ひらめき」という歌に、「輝き 無駄の中に」という言葉が出てくる。無駄なことをしていると、ときどき無性に不安になってしまう。みんな真面目に勉強してるのに、なんで俺は好きなアーティストのプレイリストを熱心に考えてるんだ!と。本当はどう進んだっていいはずなのに、みんながずんずん繰出しているほうへと足を向かわせる。向かわせないと、心が汗をかく。

 僕は今日も手紙を瓶につめ、海にやさしく放り投げる。どこへ流れつくのか考えながら、ぽつりと空を見上げている。

ひらめき

ひらめき

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