NIGHT SCRAPS

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心を補水しよう

 4月。うん、新しい季節。「新しい」っていろんな可能性とか希望とかに満ちているいい言葉だけど、なんだか気が滅入ってしまいます。ずうっと背筋を伸ばしていると、ふと気を休めたときにぽきぽきと悲鳴を上げる。でも、最初はそうやっていい恰好しても、いつの間にか猫背に戻っている。ほんと、いつの間にか。

 三月に入ってからかなあ、スピッツばかり聴いている。吉岡里帆さんという、とってもかわいい方がいらっしゃるのだが、その方がくるりの音楽を「補水液」と例えていて、ほんと素敵だなあと思ってしまった。心がからからに渇いたときにまっすぐに届いて、潤してくれる存在。今の僕にとってスピッツの音楽もそんな感じだ。春になって暖かくなり、汗になって飛んで行った潤いを補ってくれるのだ。さっきは、「シロクマ」という曲を聴いてて、ミュージックビデオ含めほんとに癒される。草野マサムネさんの声もそうだけど、ギターやベース、ドラムが全部やさしい。昆布だしぐらいやさしい。伝わんないか。

 なんというか、季節のかわりめになると、いつも通りの何かが突然輝いて見えるものだ。高校生になりたての頃、母の気遣いがなんだか暖かくて、お風呂に浸かりながらふと涙が出たりした。だからかわからないけど、僕には反抗期が(ほとんど)なかった。世の中的には反抗期は結構大事らしいけど、それからはあんまり家族に怒ったり...、というか、誰かにものすごく怒るということがなくなった。社会のかどに頭がぶつかって、あれこれ不満を言っていた自分もどこか行き、のんびり屋さんだけが残った(たぶん)。

 前にもいっぱい書いたけど、慣れない環境では知らず知らずのうちに頑張りすぎて心が脱水症状を起こすことがあるから、そのまえに、音楽や本で補水しなくちゃなあ。大人の人には、お酒というツールがあるかもしれない。なんにせよ、渇いたままにしておくのは、あんまりよくない。

 今まではバラードが苦手だったのに最近無性にバラードを聴いてる人は、結構からからなのかもしれない。スピッツの「楓」をリピート再生している人とか、特に。4月という季節には何の罪もないのに、勝手に心が渇いてしまってごめんなさい。

 そういえば、クラスの子と打ち解けて仲良くなるのはだいたい年明けで、そのぶんクラス替え淋しかったなあ。新しいクラスで誰とも話せずに春が過ぎってたあの頃の僕、今もそんな感じだけどなんとかなってるから、あんまり落ち込むなよ。