NIGHT SCRAPS

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まとめ(12)

健やかなる - NIGHT SCRAPS

健康について書きましたが、久しぶりに気持ちいい文章が書けたような気がします。本当にクソな今の状況を、具体的にどういう部分が「クソ」なのかは挙げきれないので挙げず、それとなく、淡々と文章にしました。あまりに多くの「クソ」が蔓延っているなかで、本当に健康的な生活を謳歌するためにはどうしたらいいのかということをなんとなく示唆できて...いるだろうか。

ゆふれゐ - NIGHT SCRAPS

ゆふれゐ、つまり幽霊の話です。もともとは「人が多い場所ってやだよね」って内容だったものが、いつの間にか社会的な疎外感や最後には死についての話になっていて驚きました。でもなんていうか、今敏監督の『パプリカ』に出てくるパレードのシーンみたいに、みんな狂いたいんじゃないかなって思う瞬間はあります。誰かがぽんと背中を押してくれるだけであちら側へ行けるぐらい、切迫した何かを感じます。そういう実体のない気分を言葉にしたかったのかな。

潮汐(Tide) - NIGHT SCRAPS

欲望とか渇きとか、そんな話がしたかったように思います。世界で起こっている水不足なんかも示唆しながら。この頃は「社会的な問題を抽象的な文章で表現したい」と考えていたのですが、そのエゴが丸出しというか、偉いこと言いたい自分が出すぎちゃってちょっと恥ずかしい。海の満ち引きについての比喩は、あんまりガチガチしないようにバランスを考えて入れたのかな。でもお気に召してくれたら嬉しいです。

光 - NIGHT SCRAPS

光について多角的に書きたくて、いろいろ考えました。人々が行き先をなくしているとき、誰かが光の方へ走っているといかにもその光が「正解」のように感じるけれど、必ずしもそうとは限らない。だけど結局落ち着くのは光、家庭の明かりや生きるための希望なのだと。今までの総括のような文章にしたいと思いました。

リンゴとアルコール - NIGHT SCRAPS

お酒について書こうと思いました。お酒に頼るだらしない自分について書きたいと思いました。途中、古い友との記憶が挿入されますが、それは二人が18歳だったときのものです。僕はまだお酒を知らず、彼はもうお酒を覚えていました。彼はいつも、僕の数歩先を行く存在でした。悔しさや憧れをもって彼を見ていました。彼とは疎遠になりましたが、僕が彼に抱くもやもやとした気持ちを箱に戻し、またお酒に頼っていくという一貫しただらしなさを書きたかったのです。

骨の芯まで - NIGHT SCRAPS

前に「安心な僕らは」という文章を書いたのですが、それと同じく、帰省先から戻る話です。この頃スピッツの「水色の街」をくり返し聴いていて、あらゆるものを凍らせそうな表現にとりつかれていました。そんなときレイモンド・カーヴァーの詩の中に「骨の芯まで」という言葉を見つけ、これだ!と。この文章からマイナスイオンの冷たい空気と、生臭さが伝っていけば嬉しいです。

パーマネント恋 - NIGHT SCRAPS

自分としては多幸感あふれる文章なんだけど、あんまり伝わらなかったかな、反省点多いです。現実がいかに下らなくて粗末なものだとしても、妄想の世界に没入すればたくさんの恋に出会えるし、好きな季節を生きることができる。そうして嘘によって自分を面白くできれば、いつか現実の方からプレゼントを差し出すときが来るのだと思います。それはときにお給料だし、いつもよりリッチなお弁当だし、精神を交わすだけで喜びを与えてくれるような素敵な恋です。猿になっても、頭だけがどでかい宇宙人になっても、変わらず恋をしていたいです。

ルナ - NIGHT SCRAPS

この夜のことは、やっぱりどこから話し始めても意味不明な部分が出てくるので詳しいところは省きます。素敵な夜でした。人間の面白いところがいっぱいあふれて、下品な会話で笑って、お酒でちょっと浮かれて。一人っきりでぐつぐつと考えを煮詰めることも、誰かと秘密を明かし合うことも、どちらもすばらしい。ちなみにですけど、「小雨の日々を愛している」という表現、個人的にすごく気に入っています。

可愛いね - NIGHT SCRAPS

「可愛いね」という題名を思いついたときから何か書けそうだと思ったし、その予感は間違っていなかった気がします。ときどき比喩が難しいかもしれないけれど、言いたいことは非常にストレートです。

ライラックの子 - NIGHT SCRAPS

「リンゴとアルコール」に出てきた彼について、そして新しい環境になじめずにだんだんと崩壊していった自分自身について。まだ人間になりきれていないのに、新しい場所でいろんなことを学ばなきゃいけない。そんな中で失ったものに対して僕はしばらく手を振っていたのだけど、もう忘れてしまいました。

猫にならう - NIGHT SCRAPS

よく、猫は人間の言葉を理解できるのではないかと言われますが、むしろ我々が猫のことばを忘れているだけです。何かを得る代わりに、失ってしまったのです。たぶん。

祝祭 - NIGHT SCRAPS

最近まで、丁寧な暮らしを嫌悪していました。そんなことできるわけないじゃん、と。お気楽な富裕層たちがそんなことにお金を費やしているあいだ、この国で何が起こっているのか分かってるのか?と。だけどやっぱり大事なのはそこだろうと思うのです。なぜ僕らは生活を削り、安っぽくしなきゃならないんだろう。まず、たしかな暮らしが保証されていること、そしてそのことに安心しながら働いたり余暇を楽しんだりできること。それがとても重要なのではないかと思います。