NIGHT SCRAPS

life, solitude, words

まとめ(11)

夜のはらいそ - NIGHT SCRAPS

「はらいそ」というのは、パラダイス、楽園といった意味です。だんだんと人々が寝静まる頃、ほろよいの方々が楽しくお喋りしている様子は、どこか楽園のように思えます。一方で、かんたんな格好で気兼ねなく過ごすのもまた好きです。

ここは水際 - NIGHT SCRAPS

季節の変わり目には、いろんな感情が湧き立ちます。まだ試験期間中だったけれど、町の空気や人々の服装の変化に、つい浮かされて書きました。激しい雨のあとに入れ替わるように蝉が鳴き始めたのは、かなり詩的で、風情のようなものを感じました。ただただ景色やこの町の人々について書くのも楽しいです。

虜 - NIGHT SCRAPS

スピッツに「プール」という曲があり、「君に会えた / 夏蜘蛛になった」と始まります。最近「蜘蛛の手足の数は8本だから、これは身体を交わらせている男女の描写だ」という考察を目にしました。なるほど。この文章における蜘蛛も、そういう意味合いで使っている気がします。一人の自分と、蜘蛛。だけど可愛らしい小さな生き物に、ちょっと友達に近い感情を抱いていたりするのです。

四畳半夜話 - NIGHT SCRAPS

とある人が、深夜にラブレターは書くなとおっしゃっていました。そういうものは朝に書け、と。これは別に恋文ではないけれど、読み返すと「何言っているんだお前」と言いたくなります。でも、これは今もなんですけど、いろんな悲しいニュースに心が砕けかけていたんだと思います。

刺青 / TATTOO - NIGHT SCRAPS

なんとなく、各段落の最初を「夏」で揃えてみました。書き始めたときは、夏の日差しで焦げた肌が刺青みたい、というようなことを書こうと思ったんだけど、よく分からんので変えました。この頃はすごく刺青に憧れていました。自分がしたいというのではなく、こっそり肌に刺れている人と仲良くなりたい、と。ちなみにこれを書いているときはZAZEN BOYSをたくさん聴いていたので、気分はThis is 向井秀徳です。

祭よ - NIGHT SCRAPS

とある事情でスーツを着て街へ出たのですが、夕方帰ろうと路面電車に乗ったら、満員。しかたなく立っていると、隣の人が浴衣ではっとしました。祭の季節。自分はスーツでくたくたなのに、彼らは恋人と手を繋いで人ごみの中へ消えていくのか。どうして人々はこうも祭に誘われるのだろうと、あれこれ考えて書きました。翌日自分も参加したけど、やっぱり人ごみは勘弁だと悟りました。

再上映 - NIGHT SCRAPS

最初は「深夜枠」という題でした。つまり、眠れない夜についつい見てしまう映像、ということです。この文章で自分がはっとしたのは、「このところ大気が不安定で」。何気なく書いた部分だけど、そのまま天気のことを言っているとも取れるし、もっと具体的なあれこれについて述べているようにも読める。そしてそんな状況で暗闇の冷たさにうっとりするというのも、僕だけじゃない、他の人もそうなんじゃないかと思ってしまいます。

KIDS - NIGHT SCRAPS

暮れかかる町を両親と歩きながら、この感じは文章にしておきたいと思っていました。ささやかな家庭の幸福とか、普段着の生活とか。なかなか説明は難しいけれど、きちんと「生活」を書くことの重要性に気づいたように思います。

沈黙は優しい - NIGHT SCRAPS

鈴虫の音を聞きながら書きました。内容は「四畳半夜話」とほとんど同じです。

やがて冬が - NIGHT SCRAPS

ポール・オースターの『冬の日誌』を読み、自分の「冬」について考えました。もちろん自分自身の行動で冬はよりよいものになるでしょうが、どうしようもない部分もあります。自助努力だけでは変えられない部分を、僕らでどう変えていくのか。幸せな人生は頭の中にあるのに、どうしてそれを実現できないのか。僕は日々の中で、新しい価値観をよく目にします。そうした新しさが、古い僕らを早く吐き出して欲しいと願います。複合的な難しい問題を、一つ一つ、国民の力で乗り越えられることを望みます。誰にも冬が来るのですから。