NIGHT SCRAPS

今 https://note.com/star_gazer_

なんとかなるのかな

 今日はお昼に目が覚めた。昨夜に動画をたくさん見ていたら3時になっていて、「いけないなあ」と思ってはいたけど、お昼だ。外は暑そうでうんざりする。びっくりするくらい何にもしたくない。でも冷蔵庫の中は空っぽだし、何か買ってこないといけない。まずは洋服ダンスの臭いが染みこんだジャケットを洗うため、外に出た。明らかに季節外れの陽光で、ベランダから眺めていると半袖シャツを着ている人が見えた。

 ご飯を食べ、洗濯を終えて、夕飯の買い出しに向かった。別に鍋でいいかなと思っていたけど、お気に入りのあの店で食べたチキンカレーを思い出して、鶏もも肉を手に取った。自宅に帰って冷蔵庫に食品を入れたあと、まだ暇だったから本屋さんに立ち寄った。ダ・ヴィンチとかPOPEYEなんかを立ち読みして、「柴田元幸さんが責任編集されてる雑誌は置いてないのかあ」とか考えて、別に何も買うことなくそそくさと去った。

 ときどき思い出す記憶で、保育園のときの遠足がある。どこかへ向かうバスの中。僕は母の隣に、そして通路を隔てた席には僕が仲良くしていた女の子がいた。いつもなら普通に会話していたのに、母という存在がいるために緊張して、じゃんけんどころか喋ることすらできなかった。また違う記憶は、小学生ぐらいのとき。僕がお風呂に入っているときに、父の知り合いがうちに遊びに来た。僕も知っている人だったけど、久しぶりだったので緊張して、30分ぐらいお風呂に浸かっていた。要は何が言いたいか。どうして自分はこんなにシャイなんだろう。

 同級生がツイッターで結婚について熱く語っているのを見て、遠い話だと思った。僕はただ、一人の部屋で音楽を聴きながらザ・スミスの歌詞を訳したり、ゲームでデスマッチをしたり、それぐらいだ。お気に入りの喫茶店も、人気になったら足が遠のくんだろうな。僕が座りたい席には誰かが腰を下ろし、僕が読みたい本は見当たらない。だからあんまり人気になってほしくないなあと考えてしまう。

 そのお店の影響で、最近ジャズを好んで聴いている。ジャズは敷居が高い。「お前はジャズが分かってるのか?」とけちをつけてくる人もいるだろう。でも、富士山を登った人が「自分は本当に富士山を登ったのだろうか」なんて訝らないように、別に気にしなくていいやと思う。セロニアス・モンクの『5 By Monk By 5』に、チェット・ベイカーの『Chet Baker Sings』。はあ、シャイを治したい。照れないように、言葉をうまく吐き出せるように。