NIGHT SCRAPS

夜をつらつら書き連ねるブログ

卒論の手厳しさについて~中間発表会に参加して~

 四年生の卒論中間発表会というのに初めて参加した。他のゼミとの合同で、二十人ぐらいの数が(日曜日にもかかわらず)大学に駆り出されていた。僕は隅っこの席で、ときどき同じゼミの女の子と軽いお喋りをしながらも、四年生の発表以外の時間はほとんど本を読んでいた。

 「なんで他人の発表に耳を傾けなきゃいけないんだ」と思っていたけど、聞いたり資料を見たりすると結構刺激を受ける。今日聞いた中で一番興味をもったのはノルウェーの言語状況についてだ。デンマークに支配されていた背景から、ノルウェー人のほとんどがデンマーク語由来の言語「ブークモール」を使っている。しかし一割の人口は、ノルウェー古来の言語「リスクモール」を使用している。この二つは非常に似通っていて、ややこしい。それでも看護師などの職業に就くには二つを勉強しておかないといけないのだそうだ(たぶん)。ノルウェーについて知ることはなかなかないので、こういう形で触れられるのは嬉しい。

 各発表のあとには質疑応答の時間があり、一人一回は質問するようになっている。ただの確認のようなものから、かなり的を得た、発表者がたじろいでしまうようなものまである。僕はよくそんなところ気づくなあと感心しつつ、その場面を眺めていた。学生からの質問がなくなったとき、「あ、いいですか」と先生が手をあげる。この、先生からの質問や意見が結構手厳しい。発表の根幹から全部なし崩しにする勢いで、笑ってしまうくらいだ。「この章と次の章の接続が少し違和感があります」「これでは読書メモです」。あ、そんなことまで言っちゃうんだ...。いずれ自分もこうなるんだろうという大いなる不安が膨らんでくるのが分かった。

 「正直、怒ってます」。先生がそう言ったのはとある男子学生のときだ。素人が見る限りは全然何も思わない資料だったけれど、それに対し「多分に不安です」と突き放した。「参考資料のところですが、この文献は〇〇さんではなく、△△さんですよね、これは以前にも言いました。こういう指摘が反映されていないのでは、教えようという気持ちが削がれます。...正直、怒ってます。あの、一つ質問ですが、夏休みのあいだは何をされていたんですか?」。言葉の流れ弾が雨のように降り注ぐ。空気が凍り過ぎてシベリアに来たのだろうかと勘違いしそうになった。男子学生がなんとか爆撃を乗り越え、聞いている他の学生たちが拍手した。

 四年生になった自分がどれだけちゃんと調べられるか分からないが、今日を受けて「ちゃんとしよう」と思ったのは事実だ。もしかしたらこれも先生の魂胆かもしれない。なんと明日も発表会がある。祝日なんて関係ないのだ。