NIGHT SCRAPS

夜をつらつら書き連ねるブログ

謎ときはつづいてく

 夏の季節の幾らか、NHKラジオの「夏休み子ども科学電話相談」を聞いた。ある時は大学の図書館でアプリを活用して、またある時は家でリラックスしながら。たぶんこの番組は、いろんな「なんで?」を持った子どもたちのために作られているんだろうけど、義務教育を終えた僕でも「ああ、そうだったんだ」と思うことが多い。そしてなにより、子どもたちの鋭い視線、客観的なものの見方におどろく。いや、それ自体よりも、「なんで?」を解明したいという強い思いに感動するのかもしれない。

 僕も割と「なんで?」と聞きたくなる方で、聞きすぎて親に叱られることもある。いまだに。でも、世の中にはなぜかは分からないのにそのままにされて、まるで油汚れのようにしぶとく残っている事象がたくさんある。そして純粋に「なんでだろう?」と思うこともある。

 中学生まで、夏休みの宿題に自由研究があって、僕はそれがとても苦手で面倒くさかった。面倒だから二年連続で雲のことをまとめて提出したことがある。周りの子は、「10円玉をきれいにする方法」とかやっていたけど、「どれがよく落ちるか」を書いてはいても「どうして汚れが落ちるのか」までは書いていなかったように思う。

 ラジオに登場する子どもたちの中には、先生たちが「よく知ってるね!」とおどろくぐらい知識をたくさん持っている子がいる。マイアサウラの意味を聞かれて「やさしいお母さん」と答えて、「正解〜、すごいね」と褒められているのを聞いていると、こちらまで気持ちが明るくなってくる。この子たちは将来どんな未来を歩んでいくのだろうと自然に想像してしまう。おじさんの気分。

 「なんで?」で思い出すのは、『おもひでぽろぽろ』だ。主人公タエ子の小学五年生時代、算数のテストで悪い点を取り、お姉さんに教えてもらいなさいと言われる。タエ子が出来ていなかったのは分数の割り算。タエ子は分数同士を割るという理論を説明してほしいのだけど、お姉さんは「逆にしてかければいいのよ」とだけ教える。いや、お姉さんも分数を割るというのがどういうことか分かっていないのだ。本編の内容とはあまり関係のないエピソードだけど、なぜか頭の中に焼き付いている。

 知っていると答えられるは別のベクトルを向いている気がする。どれだけやさしい言葉で伝えられるか熱心に考えている先生たちの姿も、すごくまぶしい。ときどき、たぶん分からなかったんだろうなと感じさせる「…うん」という返事にも、やはり可愛いなと思わずにいられない。彼らの謎ときがずうっと続いていくことを、静かにねがっている。