NIGHT SCRAPS

夜をつらつら書き連ねるブログ

浪漫飛行

 突然ここでラオスあたりに旅をしに行ったら何が変わるのだろう。多分そんなに変わることはない。授業の単位が取れなくって一学期が全部パアになってしまうけれど、せいぜいその程度だ。唐突にすべてを忘れてぴゅーっと消えてしまいたい時がある。『ドラゴンボール』で孫悟空が「んじゃっ」と言って瞬間移動するように、ある朝急に思い立ってバスでどこかへ出かけてみたい。そうなったとき、「あ、やっぱり学校がいいわ」と思うのだろうか。さあね。

 今はいろんな事情があってどこかへ行くことはできない。そういえば、修学旅行以外でどこかへ行ったことがあまりない。でも知らないところを歩くのは好きで、旅行記を読んでいるとわくわくしてくる。さくらももこさんの『もものかんづめ』から『たいのおかしら』のエッセイはとてもお気に入りで、人に貸してそのまま返ってきていないぐらい面白いのでお勧めだ。『さるのこしかけ』は、ももこさんがインドに行ったりポールマッカートニーのライブに行ったり...という内容で、ももこさんの行動力すごいなあと思いつつ、相変わらずちゃんと笑いどころを作られていて、ほんとにすごいなあという言葉しか見つからない。

 それにしても、休むということは楽しい。あまりしないけど、ときどき授業をサボるときがあってちょっとしたスリルがありつつも「よし、やってやったぞ」みたいな達成感もある。この間は、金曜四限の授業の時間に路面電車に乗って服を買いに行った。あれこれ服を見たり鏡で「似合ってるかなあ」と確認している間、他の人たちが黙々と書き込んだり眠気を我慢して先生の話を聴いているのだと考えてたら少し痛快だった。いや、これが大人の社会で、僕がサラリーマンだったら「痛快だなあ」なんて言えない。それなりの罰則と周りの冷たい風当たりが待っているに違いない。でも、みんなが「休みたい...」と思いながらきちんと朝起きて夜遅くまで勤めているのはどこか奇妙だなあ。たぶん、休みたい休みたいと思っている人ほど、いざ休暇ができると部屋で一日中過ごしたりするのだ(多分)。

 話は変わるけれど、僕はときどき「人との関係を唐突に全部無しにしたくなる衝動」に襲われる。それは淋しいときだ。淋しいのに、もっと自分を孤独に陥れたくなる。きっと一人旅は孤独なものだろう。能動的に一人になるのだから。ちょっとした裏切りに近いものだ。人と打ち解けるのが苦手な性分で、人との関わり方もあんまりわからない。たぶんずっと「浮いて」いて、アンナチュラルだと思う。だからそういううざったいものを全部一旦ナシにしてしまいたいのかもしれない。あやとりをしている途中で糸をぐちゃぐちゃに丸めて捨ててしまう子供のようだな。

 旅に出たい。‘‘中途半端に自分のことを知っている世界’’じゃないところに。