NIGHT SCRAPS

夜をつらつら書き連ねるブログ

俺たちに明日はある

 今日、大学である議論をした。なにかというと、新渡戸稲造の『武士道』から学ぶ意義とは、ということだ。「そんなものいちいち議論してどうなるんだよ、もっと違うことを話し合えよ」と言われそうだけど、楽しいですよ、案外。『武士道』とは、武士の時代の倫理観や重んじられていたもの(仁や義など)を新渡戸稲造がまとめたものだ。僕が思ったことは、倫理観というのは説明がしにくいものだ(「どうして人をころしちゃいけないの?」とか「どうして親を大切にしないといけないの?」とか)、だからそういう倫理観のルーツを知ることは大切だろう、ということだ。

 いろんなグループが発表する中で驚いたのは、「今の時代は愛が薄れていて...」だとか「インターネットが普及して人間関係が希薄になって...」という意見で、昔のようになるべきだろうとまとまっていた。ちょっと疑問なんだけど、昔の人って今の人の何倍愛に溢れていたんだろう、昔の人はどれほど人間関係を密にしていたんだろう。僕は、インターネットというもので「人と繋がりたい」と思う心はきっと悪いものじゃない気がするんだけどなあ。それに、『武士道』の精神が意地悪されて「ブラック企業」だとか「いじめ」とかの問題が起こっているような気がしなくもないんだけど、どうなんだろう。みんなは「今に対する悲観」をよくしていたけど、どうしてもその中で美化される過去がどうも疑問に思えてしまう。

 だって、ある日突然「今」が悪くなるわけないでしょう。‘‘最近の’’お年寄りはよく「最近の若者は...」と言う。僕の親に聞いてみたら「別に何も思わないけどね」と言っていたから、一部のお年寄りの意見をクローズアップされているのかもしれないけど、今の若者に対する「俺たちが若い頃はなあ...」というノスタルジアを伴った視線は、なんだか不愉快だ。今の若者を生み出したのはその親御さんだし、その親御さんを生み出したのは...。つまり、自分たちが作った時代の流れが今の若者なんだと思う。

 昭和の時代を描いた映画は、どこか「あの時代はよかった」というメッセージをはらむ。とあるCMで、「ライバルは、1964年」というコピーが使われていた。つまり、「あの頃は笑顔や愛や心の豊かさがたくさんあった」ということだ。このようなものを見る度に、ナニコレ?と思う。今はそんなに悪い時代かな?すごく素敵で、すぐに好きになってしまう人がたくさんいるけどなあ。面白くて繊細で、怠け者で不器用な、そんな人がまだまだ輝いている。いろんなところから今を見なくちゃね。