NIGHT SCRAPS

life, solitude, words

巣立つとき

 今、大学の自販機でカフェオレを買って、ちびちび飲みながら書いてます。昨日はほんと偏頭痛で寝っぱなしでした。ご飯は食べて水分もきちんと摂りましたが、季節の変わり目だからかな。体がやられたっぽいです。今はもう回復いたしました。でも、高校とかと違って休んでも(昨日はもともと授業が入ってなかったけど)特に誰にも迷惑かけないのが大学の良いところです。会社だと一人抜けるだけで全体の仕事も増えるしね。

 変わって今日は、僕の母の誕生日だ。朝一番にメールをして「覚えてくれとったんやね、ありがとう」みたいなやり取りをした。僕は実家を離れているので、こういうときに「はい、これ」とプレゼントができない。が、春休みで帰省したときにきちんとケーキを買ってあげた。たしか、母にはモンブランを、(ついでに)父にはイチゴのショートケーキを選んだかな。なんだか照れ臭いけど、こういうときにしか何かをあげられないのだ。仕方ない。

 僕が一人暮らしを始めてから、向こうは結構静からしい。父はテレビを独占しているし、母は母で家事で忙しい。自然と会話が少なくなる。僕がいたときは母とまあまあ会話していたので、そりゃそうかという気もする。この間帰省した時も「あんたが帰ってくる前日まで喧嘩しとった」と言われた。僕は「何十年も一緒にいてまだ喧嘩できるだけいいんじゃないの」と返したけど、どうなんだろうね。今だから笑って書けることなんだけど、一人暮らしを始めて数日はほんとぽつんとしたものだった。おしゃべりな母もいないしテレビに向かってぶつぶつ言う父もいない。ペットのハムスターもか。とつぜん一人っきりの部屋に放り出されたような気分になって母に「一人暮らしって寂しいね」とメールすると、震えた声で電話がかかってきた。

 大学一年の六月ごろ、帰省するタイミングがあって、その夜家族で回転寿司に行くことになった。そこで、母が精神的にちょっとまいっていて、今は薬を飲んでいると言われた。たしかに、大学受験やそれに関するあれこれで家族全体が疲れ切っていた感じがあった。母はもともと心配性な性質だった。僕が一人で生活することに対してかなり不安を抱えていたのだと思う。薬の効果もあって、久しぶりに会う母は前より元気を取り戻している感じがした。そしてゴールデンウィークに会った母は、ドラえもんのようにお腹をパンパンにしていた。そのことで三人で笑った。

 巣立つということは、やっぱり寂しさや恋しさや、一方で解放感なんかを感じることだと思う。母は、ある程度「僕の面倒を見る」ということから解放されたわけだ。僕が一人暮らしを決意したのは、大学受験においてたびたび母と父が揉める瞬間を同じ空間で見て「気まずいなあ」と思っていたことが一つなんだけど、そういうのも関係なくなったし。どうせ、子供はいつか親の元から飛んでいかなくちゃいけない。いろんなものを一回なくして、自分の足で歩まないといけない(たぶん)。でも、「子供」には変わりないよ?「俺はもう子供じゃないんだよ」とたびたび聞くけど、親にとってはやっぱり「子供」だしね。そういう点では、なるべく迷惑かけないように頑張らないとなあと思う。では、思い出話は、ここらへんで。