NIGHT SCRAPS

life, solitude, words

何にもしない

 昔からの習性というか短所というか、計画をやりこなすのがとても苦手だ。例えば夏休み、毎日〇時間勉強しよ!と思っても、数日しかモチベーションを保てない。で、すぐやめちゃう。やらなくてはいけないことよりも、したいことのほうに目移りしてしまう。典型的なダメ人間です。だから日記を毎日つけてる人とか一か月先の計画立てをできる人とか、偉いなあと思う。ほんとうに。

 そういう気質のせいか、他人と遊ぶのも「なんとなく」という形が好きになった。とりあえず会うけど、何するかは決めない、みたいな。ただ僕が住んでいたのは田舎だったので、自然とすることもパターン化してしまうのだけど。

 一番好きだったのが「何にもしない」だった。部屋にお邪魔して、文字通り何にもしない。一度本気で眠ってしまったことがあって(僕の方がまあまあな距離を自転車で移動していたから、かなり疲れていた)、そのときはあまりにのんびりしすぎてちょっと笑ってしまった。でもすっごく楽しかった。

 他の人がどういう遊び方をしているかわからないけど、「あそこ行ってー、次ここ行って、で、その後そこね」というのは、疲れそう。いや、普通に楽しいとは思う。普通にUSJとか通天閣とか新世界とか行ってみたいもの。でも本当に「一緒にいて楽しい」人だったら、何にもしなくても自然と幸せな気分になれる気がするんです。なんだかスケジュールをパンパンに詰め込むことで、もし一緒にいて楽しくなかったときの保険になるなあという感じが(卑屈な僕は)してしまうのです。

 今年の正月ごろ、久しぶりに友人に会うことがあった。彼は、僕と会ったあと高速バスに乗って京都に帰るのだと言った。僕はそれがほんのりと嬉しかったし、何より、なんのオチもない僕の話をあの頃と変わらず聞いてくれたことに幸せを感じた。コーヒーを肴に、何時間も喋った。最後には僕の方から二回ハグさせてもらった(これは少し気持ち悪かった)。

 「坂道のアポロン」という大好きなアニメがあるのだが、その中で「恋愛と違って友情は一生もんだからな」というセリフが出てくる。これは、本当かもしれない。何度会っても飽きない関係というのは何物にも代えがたい。彼が今何をしているのか僕は知らないし、僕のことなんか忘れてしまっているかもしれない。でも、そんなこと許せるくらい彼からいろいろなものを貰った。欲を言えば、またいつか、彼と「何にもしない」日が来てほしい。