NIGHT SCRAPS

男子大学生が‘‘ほぼ’’毎日書いているブログ

ゆるやかな距離感のそばで

 受験のとき、とても不安で眠れない夜が多々あった。そうした頃、とあるラジオにとても救われた。「鈴木敏夫ジブリ汗まみれ」だ。鈴木敏夫さんは、スタジオジブリ代表取締役であり、『魔女の宅急便』や『レッドタートル ある島の物語』まで、数々のジブリ作品をプロデュースしてきた敏腕プロデューサーだ。そんな鈴木さんのラジオを知ったきっかけは、ふとラジオの番組欄を見たときに「ジブリ」の文字を見かけて、気になって聞いてみたことだった。たぶんラジオと聞くと、DJがリスナーに向けて語りかける形を思い浮かべると思うけど、このラジオは少し形式が違う。鈴木さんとゲストとのトークをそのまま放送しているのだ。そのゲストも様々で、作家や映画監督、とある回にはタクシーのドライバーさんが出てきたりする。

 なぜ僕がこのラジオが大好きになったか、というと、とても気楽なのだ。ラジオの空間に「リスナー」の席が想定されてないように想定されていて(?)、ちょっと隣の席から聞こえてきた会話のように、楽に聞ける。そして、実はそういう会話のほうが面白かったりするのだ。

 鈴木さんのラジオを聴いているとき、なぜこんなに気楽なのか、それは「自分」が必要ないからだと思う。普通のラジオだと、語りかけてくれる分安らげるのだけど、やはり「自分」を見つめなければならない。そこにちょっとした辛さが生まれる可能性がある。でも「ジブリ汗まみれ」は、鈴木さんとゲストが勝手にしゃべってくれるから、「自分」がいなくても大丈夫なのだ。こんなラジオとリスナーのゆるやかな距離感がとても好きだ。

 「自分」が必要ないということは、一番理性的でいられるような気がする。「自分」という狭い殻の中であーだこーだ考えるより、身軽になれる。というより、日々移り変わるとても流動的な「自分」なんてものを考えても、仕方ないのだ。だからどんな「自分」でも関係なく付き合えるゆるやかな距離感はとても重要だと思う。